梅丘歌曲会館「詩と音楽」 更新情報

アクセスカウンタ

help リーダーに追加 RSS 「大地の歌」第1楽章の詩の改変をめぐって―甲斐貴也訳「大地の歌」によせて(2)―

<<   作成日時 : 2008/01/20 10:48   >>

トラックバック 0 / コメント 0

先日お知らせいたしました、ワルターの「大地の歌」のCDに添付された拙訳をきっかけになされた、よじべえさんの詳細な論考が氏のHPにUPされました。『大地の歌』に関心を持たれる方は必見と思います。是非ご覧下さい。わたしが添付の解説に書いたコメントも、よじべえさんの示唆によるところが大きいものです。

「大地の歌」第1楽章の詩の改変をめぐって―甲斐貴也訳「大地の歌」によせて(2)―

なお、『大地の歌』新訳は当サイト未掲載ですが、よじべえさんが論じられている第一楽章と、終楽章のみここでご紹介します。全曲の訳詩も近く掲載の予定です。


1.現世(エルデ)の苦を詠う酒宴歌

黄金の杯には既に酒が満ちて我らを誘(いざな)う
だが飲むのは早い、まずは一曲吟じよう!
この悲歌で君らの心に哄笑を響かせたいのだ
やがて悲嘆の時が近づけば
その心の苑は荒れすさみ
歓(よろこ)びも歌も枯れ萎(しぼ)むのだから
闇なのだ、生も死も

この家の主よ! 君の酒倉には
黄金色の酒が満ちている!
そしてここには私のリュートがある!
リュートは爪弾かれ、酒杯は飲み干されるのが
それぞれに相応(ふさわ)しいこと
酒の満ちた杯があるべき時にあるならば
まことその価値はこの世(エルデ)のどの王国にも勝る!
闇なのだ、生も死も!

天空永遠(とわ)に蒼く、大地(エルデ)は
悠久にして春到れば花咲く
然(しか)るに人よ、汝いかほど存(ながら)うるや
凡(すべ)て儚(はかな)き戯れなる現世(エルデ)の歓(よろこび)も
百歳(ももとせ)と許さるることなし!
 
彼方を見よ! 月下の墓場に蹲(うずくま)る
亡霊の如き獣(けもの)の姿
あれは猿だ! 聴け、生の甘美な芳香を
鋭く切り裂くその叫声(きょうせい)を!
さあ杯を取ろう! 友よ、今こそ時だ!
この黄金の杯を飲み干すのだ!
闇なのだ、生も死も!


6.別れ

太陽は連なる山の彼方に去った
夜の帳が谷という谷に降り来る
冷気に充たされた影とともに

おお見よ! 銀色の小舟のような月が
碧空の海に浮かぶ
私は仄(ほの)かにそよぐ風を感じる
ほの暗い唐(とう)檜(ひ)の木陰で!

小川は闇の中で妙音に満ちて歌い
花々は寂光の中で色褪せてゆく

大地(エルデ)は静けさとまどろみに満たされ
今やすべての憧憬は夢見ようとしている
疲れた人々は家路につき
眠りの中で忘れてしまった幸福と
若さを取り戻そうとするのだ!

鳥たちは梢に静かに蹲(うずくま)っている
この世界は眠りに就いた!

私のいる唐檜の陰に冷たい風が吹く
私はここに佇み友を待つ
最後の別れの時を待っているのだ

胸は焦がれる、おお友よ、君とともに
この夕べの美しさを味わいたいのに
君はどこにいるのか 私を長く独りにしないでくれ!

私はリュートを持ち行きつ戻りつ彷徨(さまよ)う
柔らかい草にふくらむ道の上を
おお美よ、おお永遠の愛よ、生命に酔い痴れる世界よ!

(管弦楽の間奏)

友は馬を降り別れの杯を差し出した
そして聞いた、何処へ行くのか
何故そうしなければならぬのかと

彼は悲しみに曇った声で話した;
君、我が友よ
私は俗世の幸福に恵まれなかった!
何処へ行くかと? 私は行く、山に入るのだ
孤独な心の安らぎを求めて!

私は故郷に、己が住処(すみか)に向って歩むのだ!
もう二度と遠方をさすらうこともあるまい
心静かにその時を待ち望んでいる!

愛しい大地(エルデ)は春になれば至る所花咲き新緑に萌える!
至る所、遥かまで永遠に、永遠に青く輝く
永遠に、永遠に
永遠に、永遠に
永遠に
永遠に
永遠に!

設定テーマ

関連テーマ 一覧

月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文