渡辺美奈子さんのご投稿:シューベルト歌曲七篇

わたしの『冬の旅』シリーズでは既におなじみの、ドイツリート、ドイツ文学研究者の渡辺美奈子さんから、当HP10周年のお祝いにご投稿を頂きました。いずれもご専門のシューベルトの作品から、ゲーテの詩による五篇、マイアーホーファーのもの一篇、シラーのもの一篇です。渡辺さんはミュラーはもちろん、ゲーテ、シラーなどドイツの古典派、ロマン派の詩人に深い造詣をお持ちで、これらの曲の解説も大変読み応えのある、信頼度の高いものになっています。是非ご覧下さい。

・「シューベルトがゲーテに2度送付した歌曲」

「ミニヨンに」 D 161 (詩:ゲーテ)

「馭者クロノスに 」 D 369(詩:ゲーテ)

・『ヴィルヘルム・マイスター修業時代』から

「 竪琴弾きの歌 I 」 D 478(詩:ゲーテ)

「 竪琴弾きの歌 II 」 D 480 (詩:ゲーテ)

「 竪琴弾きの歌 III 」 D 479 (詩:ゲーテ)

・「冥界を扱う歌曲」

「タルタルスの群れ」 D 583(詩:シラー)

「ハデスへの旅 」 D 526(詩:マイアーホーファー)


なお今回、また渡辺さんに教わってしまったのですが、シューベルトの作品整理番号のドイチュ番号は、D 161のように「.」をつけないで表記するのが正しいそうです。今後気をつけて行きたいと思います。

甲斐貴也

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この記事へのコメント

フランツ
2008年08月17日 20:04
渡辺さん、このサイトでははじめましてですね。
フランツです。
素晴らしい文章を拝見しました。
渡辺さんのご専門の研究成果の一端をこうして拝見できることをとてもうれしく思います。
今回採り上げてくださった7曲、いずれも珠玉の名作ばかりで、渡辺さんの掘り下げた研究の成果と、分かりやすくかみくだいた説明がとても素晴らしく、共感しながら全投稿を読み終えました。対訳も原詩の意味合いを最大限に生かそうとなさっているのが伝わってきて、とても素晴らしかったです。
(字数の関係でコメント、次に続けます)
フランツ
2008年08月17日 20:05
「竪琴弾きの歌」3曲は「冬の旅」以前の最も深刻な歌に数えられると思いますが、特に第1曲"Wer sich der Einsamkeit ergibt"の最後の節を聴く時は、いつも金縛りにあったかのように呼吸をすることもはばかれるほど呪縛されてしまいます。その後奏がまた比類ないほど美しい。さらにその後に"Wer nie sein Brot..."で強烈な感情の吐露がピアノパートにあらわれ、最後の"An die Tueren"では放心した老人のつぶやきが天才的なシューベルトの音楽で表現されていますね。"An die Tueren"での渡辺さんのコメントは本当におっしゃるとおりで素晴らしくこの曲の真髄をとらえておられると思います。
「クロノス」や「タルタルスの群れ」もとても好きな作品です。
今回はとても勉強させていただきました。
今後もぜひシューベルトの多くの作品を渡辺さんのご投稿で拝見できればうれしいです。
もちろんご無理のない程度で構いませんのでよろしくお願いいたします。
長々と失礼いたしました。
渡辺美奈子
2008年08月17日 22:34
フランツさん、七篇すべての稿を読んで下さり、ありがとうございます。いずれも決して推敲を重ねた訳と解説ではありませんが、たいへん好意的なコメントをいただき、感謝いたします。フランツさんの「竪琴弾きの歌」のご感想こそ、曲の真髄をとらえていると思います。感動いたしました。全く同感です。Iの比類なき後奏は、ご存じのようにバッハが悲しみの音型として使用した「ラメントバス」。「ああ 私がいつか」のピアノでも使われていますね。IIの後奏はやり場のない悲しみの叫びのよう、IIIは喩えようがないです。「竪琴弾きの歌」は詩と音楽の最高峰ですね。この名曲で、このサイト上フランツさんにお会いできたことに感動しています。「タルタルスの群れ」は、甲斐貴也さんの、昨今の非道な事件の連続にこの詩のことを思いました、というリクエストにより選びました。なお申し遅れましたが、私は修士号が芸術学で、その後仕事を継続しながら、ドイツ文学専攻分野で博士後期課程に編入。これからも文学と音楽両面において、作品に対して愛情深く謙虚に取り組みたいと思いますので、よろしくご支援、ご指導お願いします。

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