拙訳添付の『冬の旅』のCDが発売されます。
皆さんご無沙汰しております。
昨年取り組んでおりましたシューベルトの『冬の旅』の対訳を添付したCDが8月20日に発売されます。内容は,ゲルハルト・ヒュッシュ独唱,ウド=ミュラー伴奏による往年の名盤の復刻で,国際的に評価の高い復刻レーベルのオーパス蔵の製作です。同社のCDの対訳はワルターの『大地の歌』に続いて,2回目ですが,この『冬の旅』に取り組んだきっかけは,ヒュッシュの復刻盤に新訳を,という同社プロデューサーの相原了さんからのお話でした。当初,既に研究し尽くされた名曲という認識で訳を進めていたのですが,調べれば調べるほど未知の部分が多く,いくつもの新たな発見や,新たな解釈の提示が出来たのは嬉しいことでした。また,ドイツ文学・ドイツリート研究者の渡辺美奈子さんから数多くの助言を頂き,これまでで最も信頼度の高い対訳を作ることが出来ました。相原さんと渡辺さんには感謝の念を込めて,本作を献呈させていただきます。
次のCDの予定は今のところありませんが,その後『冬の旅』についてさらに調べるうち,同じくミュラーの詩による『美しき水車小屋の娘』との関連に興味を持ち,今度はこちらに取り組む予定です。ヴォルフの全訳はまだやり残していますが,以前の訳の見直しも必要となり,これも時間をかけてやっていくつもりです。
オーパス蔵HP
http://www.opuskura.com/index_j.htm

HMV
http://www.hmv.co.jp/news/article/907160121/
タワーレコード
http://www.towerrecords.co.jp/sitemap/CSfCardMain.jsp?GOODS_NO=1969547&GOODS_SORT_CD=102
昨年取り組んでおりましたシューベルトの『冬の旅』の対訳を添付したCDが8月20日に発売されます。内容は,ゲルハルト・ヒュッシュ独唱,ウド=ミュラー伴奏による往年の名盤の復刻で,国際的に評価の高い復刻レーベルのオーパス蔵の製作です。同社のCDの対訳はワルターの『大地の歌』に続いて,2回目ですが,この『冬の旅』に取り組んだきっかけは,ヒュッシュの復刻盤に新訳を,という同社プロデューサーの相原了さんからのお話でした。当初,既に研究し尽くされた名曲という認識で訳を進めていたのですが,調べれば調べるほど未知の部分が多く,いくつもの新たな発見や,新たな解釈の提示が出来たのは嬉しいことでした。また,ドイツ文学・ドイツリート研究者の渡辺美奈子さんから数多くの助言を頂き,これまでで最も信頼度の高い対訳を作ることが出来ました。相原さんと渡辺さんには感謝の念を込めて,本作を献呈させていただきます。
次のCDの予定は今のところありませんが,その後『冬の旅』についてさらに調べるうち,同じくミュラーの詩による『美しき水車小屋の娘』との関連に興味を持ち,今度はこちらに取り組む予定です。ヴォルフの全訳はまだやり残していますが,以前の訳の見直しも必要となり,これも時間をかけてやっていくつもりです。
オーパス蔵HP
http://www.opuskura.com/index_j.htm

HMV
http://www.hmv.co.jp/news/article/907160121/
タワーレコード
http://www.towerrecords.co.jp/sitemap/CSfCardMain.jsp?GOODS_NO=1969547&GOODS_SORT_CD=102
この記事へのコメント
ご協力のおかげで「冬の旅」の訳は,これまでのどれよりも充実したものに仕上がったと思います。ありがとうございました。
>goethe-schubertさん
ありがとうございます。
ヒュッシュとウド・ミュラー,ことにミュラーのピアノ演奏への再評価が,この鮮明な復刻盤の登場をきっかけになされるとよいですね。
私も甲斐さんの訳を見ながら聴かせていただこうと思います。
HPで試聴した感じではSPのスーという音をあえて残すことで、音楽自体の本来の姿を出来るだけ残そうという姿勢を感じました。
甲斐さんのライフワークの成果が一つの実を結んだことをお祝いいたします。
今後はヒュッシュの歌声が甲斐さんの訳とイメージを重ねていくことになるのでしょう。
いつもありがとうございます!
ノイズを取り除きすぎて音が生々しさを失うのはいただけませんが,かと言ってあまりノイズだらけなのも聴きにくいものですね。その辺のバランスの取り方が非常に巧妙と思います。また,良い原盤を手に入れるための努力というより,良い原盤が手に入ったものしか復刻しないという方針も,オーパス蔵の高い評価につながっていると思います。
>Zu・Simolinさん
ありがとうございます!
ミュラーの親友の名前になったのですね(笑)
ヒュッシュの歌声に重ねられるなどとはあまりにも過分なお言葉ですが,歴史的名演の復刻盤への添付は大変名誉に思っております。
早速購入して味わってみたいと思います。
私は「冬の旅」の受けとめ方がまた変わってきました。
シューベルトその人と「冬の旅」の奥深さを知るにつれ、シューベルトの音楽のもつ意味の大きさに打ちのめされています。
ありがとうございます!
そうですね,「冬の旅」は,ミュラーの詩に込められた多義性に,シューベルトの読みと音楽の厚みと深みが加わって,汲めども尽きぬ世界を築いていますね。おそらく一生付き合っていく作品だと思います。